安須森御嶽

「おもかげ」という言葉をぼくは大事にしています。「なんだかよくわからないけど人智を超えた何かが濃い密度でそこに満ちている状態」というのがぼくの「おもかげ」に対しての解釈です。しかも「おもかげ」は、理論的・科学的には説明できないけれど、自分の今をより良い方向へ導いてくれたり、未来を気づかせてくれたりする、超高性能なナビゲーションシステムの役割を担っているとも確信しています。
「おもかげ」が指し示す最適なルートは、その時の自分にとって「嘘でしょ?」と感じるような不可解なものが多いです。時には大きなトラブルを含む不幸な出来事を顕在化します。それでも、集中して、信頼して、できる限り「おもかげ」に寄り添おうと努めるなら、必ず、素敵な未来へと導かれるから不思議です。
ぼくにとって「おもかげ」とは大きな宇宙の営みそのものです。そして同時に小さな自分という営みそのものでもあります。神さまも、宇宙も、自然も、あなたも、ぼくも、森羅万象のありとあらゆる存在が矛盾と共にそこにあるからこそイコールで結ぶことができる。時に優しく温和で、時に荒らしく理不尽な、矛盾そのものである「おもかげ」だからこそ信頼をできるのです。
この日ぼくは20年振りで沖縄本島にやってきました。「おもかげ」が示す様々なヒントに促されるままに島を北から南まで巡りました。そこにはぼくの意思はありません。私利私欲をできる限り削ぎ落とし、「おもかげ」に溶け込んだ情報を受け取ることだけに集中しました。島を巡っている間、ぼくは島のすべてに感謝を伝えていました。招き入れてくれた土地やそこに暮らす生命(いのち)の営みに敬意を表しました。