ウルル・ケアンズ

妹と会う約束をするちょっと前、頻繁にオーストラリアの情報が届いていました。目にする広告や届いてくるメール、会話の内容から何気なくつけたテレビまで、オーストラリアが散りばめられていました。だから、久しぶりで顔を見た彼女に「オーストラリアいかない?」と聞いたのは、ぼくとしては自然な流れでした。
当然ながら彼女は「はあっ?」と聞き返し、そのあと、大声で笑いました。当然です。しばらく連絡の無かった兄が突然会いたいと言ってきて、オーストラリアにいくぞと誘うのですから。しかし、しみじみ思います。血は争えないものです。結局、彼女はぼくの無謀な申し出を受け入れ、ぼくと妹と妹の彼氏の3人で、真夏の南半球へと繰り出すことを決めてしまいました。
旅行中、ぼくは、兄貴として、ずっとよろこびの中にいました。妹には、今、大切な人がいます。笑ったり、ケンカしたり、そんな2人の時間を分けてもらえました。ちょっと言葉にならないくらい嬉しかったです。
ケアンズ北に広がる熱帯雨林に刻まれたモスマン渓谷。そのしっとりと濡れた空気を、透明で力強い水の流れを、ぼくらは一緒に感じました。
先住民の方達にとっての特別な場所カタジュタとウルル。その聖地に吹く風を、降り注ぐ太陽を、輝く無数の星々を、ぼくらは一緒に感じました。
ぼくは、ただただ、嬉しかったのです。











