コジウスコ

北米大陸のマッキンリー、南米大陸のアコンカグア、南極大陸のビンソン・マッシフ、オーストラリア大陸のコジウスコ、オーストララシア大陸のカルステンツ、旧ヨーロッパ大陸のモンブラン、ヨーロッパ大陸のエルブルース、アフリカ大陸のキリマンジャロ、アジア大陸のエベレスト。地球上にある大陸にそびえる最も標高の高い山々の名前です。アジア大陸の最高峰であり、地球上でイチバン高い山であるエベレストに登ると決めたとき、残り8つにも登りたいと感じました。「9 Summits」。この先数年、それぞれの山頂で彼女達に会うことを、他の誰でもないぼくの日常にすることに決めました。

「9 Summits」の中でコジウスコは他の山々に比べ気構え無く登れる山です。標高は2228mで富士山よりも1500mほど低い上に、2000m付近までスキーのリフトで上がれてしまいます。往復25kmのよく整備された登山道を、のんびり気持ちよくトレッキングできます。ぼくが訪れた5月、コジウスコは冬支度の真っ最中でした。早朝の冷たく澄んだ空気は、高く広い空の青さをよりいっそう際立てます。

登山の最中、ぼくはとても幸せでした。「9 Summits」の1つであるコジウスコが、優しく、穏やかに、ぼくを受け入れてくれたからです。どんなに低く整備された山でも、目の前で実際に感じてみなければ、登れるかどうかわかりません。例えクライミングの技術を上げようが、最新の登山装備を揃えようが、それはそれは不思議なほどにわからないのです。

山を含めた土地は、人、そして、時を、限りなくシビアに選ぶと、ぼくは確信しています。その瞬間に準備のできていない存在を、山は決して受け入れません。だからこそ、山がその深い懐へ招き入れてくれたとき、ちょっと言葉にならないくらい嬉しいです。次に出会うことになる「9 Summits」は、いったいどの山になるでしょう。その時のために、日々、準備を重ねていこう。彼女達に受け入れられる存在へと、少しでも近づけるように。

おすすめ