皇居

2年ぶりに訪れた丸の内、行幸通りの真ん中で立っていました。傘もささず、雨に濡れながら、気がつけば10分以上も皇居を眺めていました。嬉しかったのです。ただただ嬉しかった。大好きなこの場所に、もう一度、自分の足でたどり着けたことが幸せで。
ここ数年ぼくはどん底にいました。原因不明の体調不良が続き、去年からは満足に歩くこともできなくなりました。いつ寝たきりの状態になるかと真っ黒な不安の中で毎日を過ごしました。文字通り地を這うようなリハビリを少しづつ続け、今ようやく精神と身体に力が巡る感覚を取り戻しつつあります。
ぼくの魂には深い闇があります。その漆黒をキラキラした光に変えたいと、幼い頃から願い続けてきました。闇をさげすみ、光だけを求め、自らの魂を歪めていきました。気づいたときには遅すぎました。精神と身体のバランスが崩れ、生命力の循環はとどこおり、魂の願いが聞き取れなくなりました。闇は悲鳴をあげました。「わたしはここにいる!」となりふり構わず訴えかけてきました。
ぼくは闇と向き合うことにしました。見ないようにして、捨て去ろうとして、憎み続けた自分の闇。その傷と、痛みと、繰り返し対話することで、忘れていた自身の本質を少しづつ想い出していきました。魂に根づいた闇は忌むべきものではなく、敬い慈しむべき対象なのだと知りました。
「愛すること」とは「知ること」そのもの。
丸の内で優しい雨に包まれながら、魂のそんな想いが、遠く、近く、響いてくるのを感じました。