シルクロード その3

西安から敦煌まで列車に乗りました。乗車時間は22時間、直線距離にして約1500kmの道のりを、寝台車で過ごしました。国内旅行で深夜バスには何度も揺られた経験があるけれど、長くてもせいぜい10時間ほどです。ほぼ丸1日を車内で過ごすなんていう時間の使い方ができるとは、36歳にもなってお金には絶対かえられない贅沢な旅をさせてもらっています。本当にありがたいです。

3段ベッドの最上段に寝転がり、ゆっくりと過ぎていく時間の中で、ぼくは、いろんなことを考えました。家族のこと、山のこと、昔のこと、これからのこと、地球のこと、宇宙のこと、神さまのこと・・・ 浮かんでくるイメージにはできる限り自由を与え、去っていくものは追わず、とどまるものはそのままにしました。

ふと、自分の持っている「時間」が気になりました。目を閉じて、心のスクリーンへと「今、いくつ「時間」を持ってますか?」と問いかけると、時計が浮かんでくることがあります。その時計の数で、自分が大事にしている「時間」の数がわかるのです。例えば、色、形、大きさの違う時計が2つ浮かんできたとして、それぞれを調べてみると、自分の「時間」と息子の「時間」だったりすします。気にかけている相手や物事が多ければ、それだけ浮かんでくる時計の数は増えるという仕組みです。

目を閉じて、心のスクリーンへと問いかけました。不思議な時計が浮かんできました。

金色に輝く小さな球体をしているその時計には羽が生えていて、まるでハリーポッターに出てきたクィディッチ・フィールドを飛び回るスニッチのように軽やかです。過去、現在、未来の境を飛び越え、絶え間なく針を動かし続ける羽時計。自由自在に飛びまわるその時計のあとをついていけるように、想いも、言葉も、行動も、限りなく軽く、そして、やわらかくしておくことだけが、ぼくの生きる目的だと知りました。

忘れてしまった遠い過去を取り戻し、あらかじめ知っている最良の未来を選択し、そうあるべき現在をカタチづくる。行く先を誰かにたずねる必要なんてありません。焦らず探し続けるなら、答えはいくらでも、自分の中に見つかるのですから。

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